夢のクルマはいくつもある。4月号のティーポ(3月6日発売。ネコパブリッシング刊)に書いたアルファロメオT33ストラダーレはmy頂点に君臨するクルマだし、F1マシンなんてのは公道では乗れないけれども人が操る機械というその一点において正に夢のクルマだろう。
ポルシェの935を筆頭に一連のグループ5(日本でいうところのシルエットフォーミュラ系)のレーシングカーたちも夢なら、憧れたおしたレーシングカーは日本のGRD S74だったりムーンクラフトマーチだったりする(ラジコン世代! )。ポルシェといえば956&962もええなあ。
まあ、そこまで夢物語じゃなくて、現実的に次なる一手として日々"夢想"しているクルマも、いくつかカテゴリー毎にあったりするわけだ。
戦前のクルマも相変わらず、乗ってみたい。ロールス&ベントレーのお宝市場、オトナのクルマ社会科見学コース、とボクが呼んでいるシーザートレーディングにはダービー・ベントレーというクルマがあって、いつの日か乗ってやる! と思っている。そういや、戦後の名車、S2コンチネンタルも帰ってきてたなあ。
70年代はひとまず卒業したとして、80年代だとやっぱりフェラーリ。288GTOやF40は未だに夢で、テスタロッサだってもういっぺん欲しい。今、市場にあるのでいうと、ロペライオの黒ワンミラー初期型D車3000キロ、プランシングホースの緑メタ1.3万キロ、そして極めつけはTRガレージの黄1400キロあたりか。この3台はコレクターズアイテムとしてもオススメ。だから乗れなさそうで、かえって買えない(気がする)。
で、前置きが長くなってしまったけれど、ここからが本題。90年代の夢のクルマ、といえばやっぱりマクラーレンF1に尽きるのだけれども、もう少し現実的なセンで、本当に欲しいと思っているクルマがこれ、ブガッティEB110GTである。
理想のカウンタック。現実的な解としては、最新のムルシエラゴLP640-4やLP670-4SVを挙げたいけれども、スーパーカーという言葉にある種の"魑魅魍魎さ"を求める自分としては、EB110GTの"あやしげ"なストーリーにどうしても惹かれてしまう。愛車カウンタックLP400の後継(自分のクルマとして)なら、まずこれしかないと思っている。
そんなEB110GTのオウナー(K先生)と、昨年、ドリームオートの新店パーティで知り合いになれた。これまで何台もの歴史的GTカー(フェラーリ250系や275など)を乗り継いでこられた本物のエンスーで、この日もランボルギーニ400GTで栃木まで来られていた。母校の大先輩ということも判明し、いよいよ話は盛り上がって後日、クルマを見せてもらう約束をしたのだ。
そして先日、K先生のガレーヂ訪問が実現した。EB110GTをじっくり味わいたい、というボクのわがままを快く聞いていただいたK先生は、なんとブガッティで幹線道路からご自宅へ誘導してくださった。珍しいガンメタリックのEB110GTである。
静かな住宅街。シャッターを開けると、そこにはあのランボルギーニ400GTがあり、その奥には真っ赤なフェラーリ250GTEが。「もうじきエンジンが仕上がるので、積んだらまた乗りましょう」と先生。その昔、ミスタータイガース掛布さんと豊中から250GTEで阪神のキャンプ地/安芸までドライブしたことがある。おっとりとしていて乗りやすく、けれどもエンジンの軽やかさが印象的なクルマだった。
「もうじき512TRがやってくるんです」。テスタロッサの後継モデル、512TR。多くのスーパーカーエンスーが必ずと言っていいほど経験してきたクルマ。名車だと思う。5、60年代を乗り尽くし、時系列的にEB110GTまで辿り着いた先生の次なる一歩として、面白い選択肢だと思うし、多くの"これからスーパーカー欲しい層"には参考になるはずだ。新しいだけが、能じゃない。
ガレージでしばしクルマ談義を楽しんだのち、近所のガソリンスタンドで給油。EB110GTの給油シーンは、珍しいと思うので、ぜひご覧下さい。
スタンドでドライバーチェンジして、中央道を目指す。久しぶりにEB110GTのハンドルを握る。この、得体の知れない緊張感こそが、スーパーカーに乗った! という気分だろう。最近の新しい高級スポーツカーには、これがない。それだけ乗りやすく、確実な"クルマ"になったということで、歓迎すべきことだけど、やっぱりちょっと寂しい。まあ、この気分が好きな人は、ちょっと古めのスーパーカーに乗ればいいだけの話だけれど。512BBとかね。
何が緊張するって、まず、着座位置がそうとうに低いこと。地面に座っているような感覚が、とんでもないモノに乗っている気分にさせる。ダッシュまわりの景色はちょっとアルシオーネSVXのようでおっちゃん臭いけど、ウィンドウ越しの景色ははっきり見上げるよう。
クラッチは重い。重いけれど、365BBほどじゃない。繋ぐのもちょっと難しい。けれども慣れれば平気。それよりも入りの渋さが最初はつらい。そういう操作系の"融通のなさ"がまた、得体の知れなさにつながっていいんだよなあ、なんてかなりM?
高速へ。3.5リッターV12クワトロターボの威力を試す!と張り切ってアクセルペダルを踏み込んでみれば・・・。記憶していた以上にスムースな加速。荒々しさはない。四駆という安心感も。急にドッカーンとくるというよりも、来るゾ来るゾ来るゾと存分にためこまれてからズバッコーンと加速する、そんな感覚。加速の最中は、魔法の絨毯ってこんなだろうな、というもので、なぜか前の道が真っすぐなトンネルのように思えてくる。いやはや、やっぱり速いということだ。
相模湖で下道に。意外に素直なハンドリングで、けっこうスポーツカーらしく走ってくれた。ちょっぴりガタピシするのはご愛嬌ってものか。
うん。やっぱり欲しくなってきたぞ・・・。
(リポート 西川淳)



オリジナル、クンタッシュとのツーショットは、ほんとに!(◎_◎;)シルエットが…そっくりで、まさに正統派!?後継者として開発されて居た!?ことを、実感させる所作を(#^.^#)感じますね~。
ブガッティEB112、やっぱり、出して欲しかったなあ~と、スーパーカーワールドの実質的な後継者EB110を、観るにつけて思い出しますね~。
皇居周回した瞬間の映像が…いまだ頭に!(◎_◎;)焼き付いております。(笑)
素晴らしいレポートを、ありがとうございました。
m(_ _)m